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「両手になったらコードネームでひいちゃおう」 [ピアノ教本]

高校生くらいになると、自分の好きなポピュラーの曲を弾きたい、という生徒さんも増えてきます。

そんなときは、譜面を追うだけではなく、やはりコード奏ができると非常に便利ですよね。


そこで良い教材を見つけました。折田信枝先生の、「両手になったらコードネームでひいちゃおう」です。


この曲集の大きな特徴は、「コードを分かりやすく楽しく学べる」という点にあると思います。


順序としては、まず英語音名をしっかり覚えることから始め、その音を「ルート」として3和音が出来上がることを教えています。


教本のアイデアとして面白いのは、


【Cコード】を「ハ長調家のお母さん」

【Gコード】を「ハ長調家のお父さん」

【Fコード】を「ハ長調家のおじょうさん」


というように、各コードの「特性」を家族の「性格」とマッチさせて分かりやすく説明しているところ。


「お母さんはすることが多くていそがしいので、曲の中ではいちばん多く登場します」

「お父さんはおしごとにむかうときは、きりっと、少しきんちょうした気持ちになります」


といったように、各コードの持つ雰囲気や性格を、子供にも分かりやすいように説明することに成功しています。


また、可愛いイラストによって、コードを学ぶ際のワクワク感を醸し出しています。さらに、解説の際の音符や五線譜を大きめに取ることで、見やすく、理解しやすいような工夫もされていますね。



また、この教材の秀逸なところは、

●わかりやすい解説(ふりがな付き)
●理論をゲームと共に学べる
●書く勉強と、弾く実践の勉強が同時にできる

というところではないか、と思います。


また、コード進行を「キャッチボール」に例えて、「進み方の決まり」を視覚的に分かりやすく説明しています。例えて挙げてみますと、


「はじめとおわりはお母さん。お母さんからなげてお母さんで終わります」

「お母さんとこどもであそぶこともあります」

「お父さんからおじょうさんにはボールをなげません。ボールがはやくてあぶないのです。最後はいつもお母さんです」


実際の教本をご覧になるとお分かりになると思いますが、主和音から属七の和音への進行などを、分かりやすい例えで説明します。


またこの教材では、小さい子の理解を促すために、音楽の記号を、いろんなキャラクターにして登場させています。例えば、


【ト長調ハウスでの「ファープちゃん」(ファの♯:ねこ)】

【ヘ長調ハウスでの「シートくん」(シの♭:いぬ)】


という感じですね。


この教材の「はじめに」にもありますが、コードネームを覚えることは、自分で弾く「アレンジ力」につながります。


また、中高生になってピアノをやめざるをえない状況でも、コードネームの知識があれば、自分一人でピアノを楽しむこともできますよね。


さらに、幼児教育や幼稚園の先生を目指す人にとっても、コードネームは必須の知識。


純粋に、コードネームの基礎から学びたいという先生も、この教本を使うことで、子供たちと一緒に勉強できます。


コードネームに関する教本はたくさんありますが、これはアイデア、企画・構成、イラスト、さまざまな面で優れた教材ですね。





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