「シャンドール ピアノ教本」 [書評]
ピアノは筋力を鍛えることが重視されがちだが、それぞれの動きのコーディネートが重要。
先日読んだ、「シャンドール ピアノ教本」にありました。
「この本は、『音の質』および『人の身体の仕組み』という二つの要素を絶えず考慮しながら、総合的なピアノ技術を示そうとするもの」
そこで、「五つの基本動作」を詳細に解説、体や筋肉を楽に使い、演奏することを目指しています。
「はじめに」にもあるように、この書籍で一貫していることは、
「演奏技術とはピアノの特性に合わせて諸動作をコーディネートすることである」
例えば、指の独立を達成するため陥りがちなのは、指だけを鍛えようとすること。
そうではなく、指を動かすための前腕や上腕の動きこそ、きちんと参与している必要がある。
(指を動かすのは前腕の筋肉なのだから、としています)
身体のすべての部分が、適切な動作をしたときにこそ、指はスムーズに動き、練習は価値あるものになる。
「練習は意識的にしなければならず、機械的に行ってはならない」
「ピアノにかかわるすべての問題は、限られた数の動作パターンとその組み合わせによって解決できる」
ではどうすれば?という点を「五つの基本動作」を含めて、様々な解説によって解説しているのが本書、ということですね。
演奏する人にとってはもちろん、ピアノ指導者にとっても価値ある一冊ではないかと思います。
★今日の一冊
「シャンドール ピアノ教本」(春秋社)
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