だから人は一生懸命になれる [ピアノレッスン]
新学期が始まりましたね。
東京では一足早い桜が咲き、新緑の季節を迎えるかのようでした。
この春、転勤のために海外にいってしまう女の子。
「むこうに行ってもピアノはぜったいがんばります。とう先生にならった3年間、忘れません」
一字一字、丁寧に書いてくれたその字を見ながら、一緒に学んだ日々に感謝しました。
思えば、いろいろ教えてくれたのは自分のほうだったのかもしれません。
彼女のおかげで、これまでにないレッスンを考える日々をいただいた。
彼女のおかげで、どう話せば伝わるのかを懸命に考えた。
彼女のおかげで、自分に足りないものは何かに気づくことができた。
「教えることは教わること」
ピアノ教育も、子育ても、努力したことは最後には「自分」のためになる。
一生懸命になれる人は、そのことを知っているのかもしれません。
一足早い、桜の開花のような、嬉しい連絡 [ピアノレッスン]
先日、「音大に合格しました!」という連絡がきました。
以前、レッスンをさせていただいていた子で、夢もエネルギーもある子です。
口にする夢や目標を、次々と実現させていくので、こちらも見ていて気持ちがいいくらいです。
ただ、その裏にはおそらく想像できないほどの努力があるはず。
きっと悔しい涙を流したこともあるでしょう。
それを見せないところ、そして決めた道をどんどん進んでいく姿。
このあたりは、こちらも啓発される部分が少なくありません。
これから始まる新しい生活で、同じように辛いこともあるかもしれません。
けれども、おそらく大丈夫でしょう。
なぜなら、それを越えたところに、「人生で大切なもの」が待っている、と知っているでしょうから。
一足早い、桜の開花のような、嬉しい連絡でした。
8年間が詰まった手 [ピアノレッスン]
8年間、一緒にピアノを勉強してきた高校生の女の子。お別れの日が来ました。
決して早いスタートではなかったけれど、どんどん上達する姿に、私のほうが楽しかった。
学校の伴奏者として活躍する姿が、自分のように嬉しかった。
できる子は何でもこなせる、それを結果で示してくれる子でした。
最後のレッスン、「旅立ちの日に」を弾く姿と、初めてレッスンに来た、幼いあの日が重なります。
別れ際に固い握手。自分の手を見ながら、
「この手には8年間が詰まっているね」
きっとどこかで、また彼女のピアノを聴けることを願い、笑顔の別れに、感謝の気持ちを込めました。
発表会後にいただいた保護者の方のコメント [ピアノレッスン]
私は、外部の音楽教室の講師としても教えておりますが、先日、そちらでの発表会がありました。
どの生徒さんも、これまでの練習の成果を発揮して、頑張っていた姿が印象的でした。
何人もの保護者の方におっしゃっていただいたのは、
「先生の生徒さんは、皆さん個性的ですね」
ということ。
これは私にとっては、かなり嬉しいコメントです。
個性が出ているというのは、おそらく何かしら印象に残るものがある、ということだと思います。
たしかに、たとえ同じ曲を弾いたとしても、どれ一つとして同じ演奏はありません。
ただ、それが「個性」なのか、といえば、そうでもないと言う人も少なくないでしょう。
ピアノにおいて、「個性」を出すことは、それだけ難しいことであり、何かしらの「努力」が必要になります。
「個性」と言えるまでになるには、いろいろな要素が必要になるからです。
そして、重要なのは、それらを引き出す役割を担っているのが、我々ピアノ指導者、ということ。
だからこそ、こうしたコメントをいただけるのは、私にとっては、とても嬉しいことです。
何より、演奏後の充実した彼らの顔を見るのは、私にとっての幸せでもあります。
目的地が見ている人に、道は伸びる [ピアノレッスン]
私は外部の教室の講師としても教えているので、年に何度か発表会を経験します。
今年もそちらの発表会が近づいてきました。
今回は、私がアレンジした曲も含めて、生徒さんがさまざまな曲を披露してくれる予定です。
本番に向けて大事だと思うのは、結果はもちろんのこと、そのプロセス。
それに向けて、どれだけエネルギーを注ぐことができるか。
それぞれに、高い目標を持って取り組むことができるか、
目的地がはっきりと見えている人の足元に、道は伸びていくのでしょう。
梅雨明けと笑顔の生徒さん [ピアノレッスン]
関東も梅雨明けしたらしいですね。
それにしても暑い日々が続きます。
ちまたでは、暑さをしのぐグッズが飛ぶように売れているらしいですが、それも頷けます。
あまりに暑いので、おでこに貼って熱を取るシートを貼ってみたら、なかなかいいです(笑)
ただ、危なくそのままレッスンしてしまうところでした(笑)
大変な暑さですが、汗だくになりながらも、元気よくレッスンに来てくれる生徒さん。
そんな姿を見ると、本当に嬉しくなり、自然と感謝の気持ちがわいてきます。
体調には注意して、この夏を乗り切りたいものです。
音色探しは刺激的なワーク [ピアノレッスン]
昨日、音色についてちょっと書いてみました。
レッスンの中で、生徒さんの音色を変えたいと思ったとき。
まずすべきは、生徒自身が、自分が出している音がどんなものかを知ること、ではないかと思います。
その上で、いい音色とはどのようなものかを教えてあげる。
その比較の中で、探りながら自分にとっての良い響きを探していく。
そうした作業が必要なのではと思います。
私がよくやるのは、たった一音を、自分と生徒さんとで交互に弾くこと。
ペダルを踏んだ状態で、一番いい音色をふたりで探り合う。
餅つきのようにも見えますが、自分が出している音との違いを理解してもらうことが狙いです。
どうすれば自分が出している音が、「いい音」とされている音に近づけることができるか。
生徒さんはそれを必死に考えながら、探します。
そのプロセスのなかに、耳を養う、といった要素があるように思います。
良い音色を知って、自分の音をそれに近づけていく作業は、子供にとっても刺激的なワークのようです。
ベルハーモニーを使った脱力法 [ピアノレッスン]
ピアノを弾く際に、脱力は大事、ということは多くの人が理解しています。
ただ、それをどのように身に付けていけばいいのか、はなかなか難しい点があります。
今月号のムジカノーヴァの巻頭に、ひとつのヒントがありました。
緒方ヤヨイ先生がご紹介する、「身近な小物」で脱力を学ぶ方法。これはなるほどと思いました。
特に「ベルハーモニー」という、丈夫をプッシュして音を鳴らすベルを使った方法は、音色を聴きながら、脱力を意識できる良い方法だと思いました。
この楽器は触ったことはないですが、きっと脱力できていればいい音がでて、手首を堅くして鳴らせば、固い音がでるのでしょう。
こうした練習法は、他の打楽器でも応用できそうですね。
スポーツも、リラックスできたときに自分の本当の力が出せるように、楽器も、力を抜いたときにいい音がでる。
そうしたことを学ばせるための、なるほどなアイデアだと思いました。
アレンジは刺激的なワーク [ピアノレッスン]
私はお洒落にアレンジする能力はありませんが、生徒さんのために、そのレベルに合わせてアレンジすることはよくあります。
特に、発表会のために、ポップスなどの曲を弾きやすくアレンジすることが最近多いです。
弾きやすくすることは、単純にいうと、音を減らしたり、リズムを変えたりすること。
つまり、「シンプルにする」ことだと思います。
何事もそうですが、シンプルにしようとすればするほど、そこにある「本質」に迫る必要があります。
大事な「核」に迫る、といった感じでしょうか。
だからこそ、こうした「シンプルにするアレンジ」は、自分にとっても勉強であり、その作品の本質に迫る、刺激的なワークでもあるのです。
また気づくのは、世の中で多くの人から支持されている曲ほど、突き詰めるとシンプルに出来ていること。
分かりやすいこと、空気のように体に入ってくるのは、やはりシンプルであるから。
これは生き方にも通じるものがあるように思います。
シンプルに生きることは、いわば楽に生きること、だとも言えるでしょう。
そんな風に、生きていきたいものです。
発表会を終えて感じること [ピアノレッスン]
おかげさまで、昨日、発表会を終えることができました。
これまで長い時間をかけて、一つの作品を仕上げてきた生徒さん。
どの生徒さんも、一生懸命、とても素敵に弾いていました。
いつも感動する光景。
それは、舞台袖から見る、演奏している生徒さんの背中。
忙しいなか、少しでもいい演奏を、と努力してきたその情景までが浮かぶようです。
演奏してみて感じたことは、それぞれだと思います。
それらは、すべてが学びではないかと思います。
私も何度となく人前で弾いてきましたが、いつも思うのは「もっとできる」。
そこに向上心がなければ、ピアノの楽しさや深さは分からないと思います。
いつもそこに課題があるからこそ、次に向けて頑張れる。
だからこそ、ピアノは深いのではと思います。
いつも教室運営にご理解とご協力をいただいている保護者の方々、関係者の皆様、本当にありがとうございました。
演奏されたすべての生徒さん、素敵な感動をありがとうございました。