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深見友紀子先生の「子どものうた弾き歌い ベスト50」 [ピアノ教本]


京都女子大学の教授であり、私が敬愛する深見友紀子先生が新刊「子どものうた弾き歌い ベスト50(音楽之友社)」です。をご出版されました。


深見先生は、京都女子大の発達教育学部児童学科、および大学院で教鞭をとられており、著書も多数、中でも保育者のピアノ実技についてまとめた「この1冊でわかる ピアノ実技と楽典」でご存じの方も多いと思います。



保育や教育の現場では、歌を歌うことも子どもたちの大切な教育のひとつ。そのため、現場で求められるのは、ピアノの弾き歌いですね。


この教材の特徴として、

●厳選50曲
●難易度別
●必要な箇所には指番号
●画期的な2色版
●各曲にコラム
●お楽しみ付録楽曲
●便利な曲名索引と音楽記号表

などが挙げられています。



特に、伴奏する際の注意点や歌い方、心の込め方など、言葉を大切にすべき弾き歌いでのポイントを青い文字で注釈をいれているところ。

この注釈は、弾き歌いの現場を知り尽くした先生によるものですので、何より参考になりますね。

巻末には、赤羽美希さんの素敵なアレンジによる、5曲の付録楽譜が付されています。



ピアノの先生のなかには、保育士を目指す人、幼稚園の先生のピアノ指導をしている方も多いと思いますが、そこで求められるのは「弾き歌い」の指導です。


ただ我々ピアノ講師は、ピアノ指導は問題なくできても、「歌い方や発声」「音楽と言葉の関連付け」に関しては、保育や学校の現場を経験した人でない限り、なかなか学ぶ機会がありません。


その点この教材は、教育現場で働く人はもちろんのこと、我々ピアノ講師にとっても、非常に有益な一冊ではないかと思います。



弾き歌いを学びたい方、保育士を目指す人を生徒に持つ先生には、一度ご覧いただきたい一冊です。



「子どものうた弾き歌い ベスト50(音楽之友社)」









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春畑セロリ先生の「ぴあのらくがきだいありー」 [ピアノ教本]


今日は、先日出版された曲集をひとつ。

春畑セロリ先生の「ぴあのらくがきだいありー」です。


以前も、何度も取り上げてきました春畑セロリ先生ですが、この曲集は先生の新刊です。今回の新刊も春畑先生のアイデアが詰まった、素敵な曲集ですね。


巻頭に、春畑先生はこのように書いてらっしゃいます。


「この曲集は、あなたの『気持ち』の日記です(中略)あなたの『きょう』の気持ちのままに、思ったように、感じたように弾いてみてください」


そのため、どの曲にも強弱記号や速度記号、表現記号など全く記載されていません。この部分に関しては、子どもたちの「感性」に委ねているということですね。


また、タイトルに「だいありー」という言葉もありますが、譜面には自分の気持ちを書く欄があります。

こうした自分の気持ちや表現の「種」となるものを書くことで、その曲に向うときの心のあり方が、見えてくるように思います。


この曲集に収められている曲の数々は、どれも個性的で素敵ですが面白いのはタイトル。


 「めっちゃうれしいマーチ」

 「めんどくさ~いワルツ」

 「てれちゃうかもアンダンテ」

 「あたまにきちゃったファンファーレ」


など、タイトルを見ているだけで、何だか曲のイメージが湧いてきそうです。


この曲集には全25曲収められていて、最初の3曲以外は、ソロとしても、連弾としても演奏できるようになっています。



また、この先生のパートには、「あってもなくてもいいサポート楽譜」と書かれています。つまり、どの曲もソロとして弾くこともできるし、先生との連弾をすることも可能だということですね。


巻頭の「ちょっとおせっかいな取扱説明書」にもあるように、連弾として演奏することで、ソロで弾いた時とはまた違って、

 「新しい曲として、2人で曲作りができる」

というところが、楽しいところでもあり勉強になる部分です。つまりこの曲集は、


・ソロで弾く時は「気持ちのままに」

・連弾のときは「曲作りができる」


と2つの楽しみ方、学び方ができるという曲集ということですね。



独特の「春畑先生ワールド」が広がるこの曲集、ご覧になってみてはいかがでしょうか。






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町田育弥先生の「みみをすます」 [ピアノ教本]


音楽之友社から出版されたばかりの新刊教材、「ピアノとソルフェージュの本 みみをすます」をご紹介いたします。


著者である町田育弥先生は、桐朋学園大学の作曲科をご卒業、さまざまなジャンルの音楽の作曲を手掛ける一方で、ピアノ奏者としてもご活躍の先生。作品の数々は、海外でも評価を得ています。


この教材は、

「子供たちの視点に立って音楽の原点に立ち返ろう」

という町田先生の思いから生まれた、新しいタイプのピアノとソルフェージュの教材です。



「音楽を自ら能動的に楽しむように育てること」

「自分なりの表現を見つけるその過程に喜びを体験する」


巻頭にある「はじめに」と「第1巻について」には、ピアノ教育への貴重な示唆や熱い思いが込められています。

さすが作曲家の先生の教材だけに、導入期の指導のポイントが極めて論理的に書かれています。



「音符は解読すべき暗号として存在するのではなく、身体感覚としての音のイメージを図象化した結果にすぎない」

「初期段階では『読むこと』と『弾くこと』は別個の行為として独立しているべき」


などの言葉からは、これまでのピアノ教材にはないアプローチを感じますね。



また、この教材に彩りと楽しさを加えている、雨田光弘さんの猫のイラストが可愛らしい。

柔らかなタッチで描かれているさまざまな猫たちは、ピアノの楽しさを目で伝えてくれています。


黒鍵をおさえて倍音を聴く「オクターブのまほう」、音の名前を覚えるための、「おんめいりんぐ」でのしりとり、正しい手のフォームを指導するための「ゆびのあしあと」、などこれまでにないアイデアだと思いました。


音の読み方の指導の部分では、たくさんのページを取って、きわめてゆっくり、じっくり、そして単純に進んでいきます。

この辺りに、単なる「読譜」の指導にとどまらない、音の「イメージ」を大切にした指導を感じます。



また特筆すべきは、随所に書かれている子どもたちへの言葉。

たとえば、拍の勉強の部分にある「こころの あしおと」から引用させていただくと、



「いつも おなじ はやさで
 すすんでゆく

 こころの あしおとを
 はく という

 でもはくは
 だれにも きこえない

 きみが おもったときに
 きみの こころの なかにだけ
 うまれる」



といったような、素敵な詩を読んでいるかのような言葉に、音楽を教えることの「深さ」を感じます。


ただ、これまでの導入教材とはちょっと趣が違うため、使用する際には自分なりに研究して、消化しておく必要性があるでしょうね。


町田先生はセミナーも開催される予定のようですので、教材の使い方はもちろん、導入指導のエッセンスを、 この教材から学ぶというのも有効だと思います。


ぜひ楽器店等で、一度ご覧になってみてください。






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「コードの達人 超入門編~ピアノの先生のための楽しいスキルアップ・セミナー~」 [ピアノ教本]


昨日は、春畑セロリ先生の連弾曲集をご紹介しましたが、今日はコード教材を。

ヤマハミュージックメディアから出版されている、「コードの達人 超入門編」です。 


この教材は、春畑先生による軽妙な語り口で、難しいと考えがちのコードについて、とても楽しく分かりやすく理解できます。

読み物としても面白いため、子供達にコードの説明をする際に、活用しても良いでしょうね。


「コーヒー・ブレイク」というミニ知識のコーナーは、なるほど!と思うような話題やクイズが取り上げられていて、楽しいです。



実際のピアノ教育の現場では、こうしたコードの知識やコード奏の技術がどうしても必要になります。

この教本では、春畑先生の楽しい解説、豊富な譜面によって、難しいと思いがちなコードの勉強を楽しくできる点。


私が特に面白いな、と思った項目を挙げてみます。


●コードネームと和音記号はココが違う
●コード列伝(各コードの解説と響きのニュアンス)
●よいコード進行とは
●和声学の禁則って何だったの?
●おしゃれなコード付けの方法
●ちょっと遊びにきちゃった~借用和音~
●テンション・コードの配置
●コードがクライマックスを作る
●メロディーとベースの関係



この教本では、ピアノの先生が知りたいコード奏の基本を、あますところなく伝えてくれています。

コードの勉強をしたい、生徒にさせたいと思っている先生は、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。





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「みんなのピアノワールド 先生と連弾編」 [ピアノ教本]


発表会はもちろんのこと、レッスンにも取り入れると、楽しくて勉強になるのが「連弾」です。

連弾教材はたくさんありますが、お気に入りの一冊が、春畑セロリ先生の「みんなのピアノワールド 先生と連弾編」です。


この曲集には、クラシックや世界の民謡、ポップス、さらに日本と世界の子どもの歌などから、人々に親しまれているメロディーを厳選して、連弾にアレンジしています。


この連弾曲集は、発表会などでの演奏会でも大活躍します。

私の発表会でも子どもたちに演奏してもらいましたが、どの生徒さんも練習のときから楽しんでいました。


また、子どもたちはメロディーに徹する曲が多いのですが、素敵なアレンジと、アイデアにより、非常に演奏効果が高いのでお客さんも楽しんで聴いてくれます。


さまざまなジャンルの音楽(クラシック、民謡、ポップスなど)から、魅力的なメロディーを厳選していますので、誰もが知っている曲を斬新なアレンジで聴かせられます。

きっと聴衆の方は、「このメロディーがこんなアレンジになるの!」と驚かれることでしょうね。


この曲集の素晴らしいところは、小さい子供(就学前)でも演奏ができて、しかも「聴かせるアレンジ」になっているところ。


メロディーを担当する子どもたちは、小さい子でも弾けるようにと、1段譜にしてあるところも、素晴らしい配慮ではないか、と思います。


これにより、メロディーだけに集中することができますし、セコンドのパートは、演奏効果の高いアレンジになっているので、全体的に、「聴かせる演奏」ができます。


発表会での連弾は、生徒さんも楽しいですし、聴きにいらしたお客さんにとっても楽しいです。

本当に楽しいアレンジ満載です。





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楽譜との距離感はネットでは分からない [ピアノ教本]


楽器店の方に聞いたお話ですが、やはり昨今のネットの普及によって、楽譜や教材をインターネットで買う人が増えてきている、と。

確かに私も、すでに知っている教材であれば、ネットで購入したりしていますね。


ですが、実際に楽譜を手に取って、パラパラめくるその「楽譜との距離感」というものを大切にしたい、と思っているので、多くの場合は楽器店にいきます。


楽譜に触れていること、譜面と目の距離、紙質、装丁、いろいろありますが、楽譜と触れていることに喜びを感じたりします。


知らない楽譜や教材を、いきなりネットで買うことには、以前より抵抗はなくなっているかもしれませんが、やはり大切にしたいものが、自分の中にはあるようです。


ということで、近くに大きな楽器店さんがあることに、とても感謝しています。


便利なものと、大切にしたいものとのバランスは大事ですよね。




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「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」 [ピアノ教本]


私が中学生のころから応援してきている、サッカー日本代表。今季から、イタリアからザッケローニ監督を迎えて、新たな日本代表がスタートしましたね。

どんな試合を見せてくれるか、感動を与えてくれるか、とても楽しみです。


そんな折、ずっと以前に購入していて、あまり深く読んでいなかった書籍が出てきました。

奇しくもイタリア関係の本。


関孝弘さんと、ラーゴ・マリアンジェラさんの共著の、「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」です。


音楽の世界、特にクラシックでは、音楽用語にイタリア語が使われていることが多いです。

速度表示や、テンポ表示など、いわゆる楽典として学んだ知識はありますが、その語源は何で、何から派生したものか、と言われるとほとんど分かりません。


この本では、そうした楽語をのルーツとなるイタリア語を、とても分かりやすく解説しています。

また、お国の言葉を知る人のみが知る、言葉の持つ微妙なニュアンスなども理解できて、なるほど、と思わず思ってしまいました。


コラムも面白いですし、ビジュアルとして載っている娘さん?の写真も可愛いですね。

音楽をやっている人、特にピアノ関係の人には面白く読める本ではないかと思います。



最近では、「イタリア語から学ぶ ひと目で納得!!音楽用語事典」という続編も出版されているようですが、こちらはまだチェックしてません。

こちらも面白そうですので、早速読んでみたいと思います。




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アマゾンは便利だけれど [ピアノ教本]


私はよく、アマゾンを利用して書籍や楽譜等を買っています。

アマゾンの怖いところは、お金の流れはあまり気にせずに、いろいろ買ってしまうこと。

いろいろ買わせるアマゾンのマーケティングは素晴らしいですね。


また、梱包がきちんとしているところも良いですが、おかげで段ボールが増えます。

きっと段ボール業者やリサイクル業者も忙しいことでしょうね。


便利ですが、やはり楽譜などはじっくり手に取って見て買いたいと思う人は私だけでないでしょう。

楽器店さんにはお世話になります。


インターネットは便利ですが、メリットデメリットを理解した上で、賢く使いたいものですね。




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「ピアノで一発芸!ネタ50選」 [ピアノ教本]

面白い曲集を見つけました。シンコーミュージックから出ている、「ピアノで一発芸!ネタ50選」です。


この曲集では、簡単なアレンジが施された、誰もが知っている名曲が、なんと50曲も収録されています。

注目すべきは、クラシックはもとより、テレビCMや映画でおなじみのテーマソングやアニメ、J-POPの曲まで網羅されている点です。

50曲は、5つのカテゴリに分類されており、 「30秒で弾き終わる!TV&CMテーマ・ソング篇」など、ネーミングも非常に印象的です。


「初心者も楽しめます!!」「イベントや余興で使えます。」というキャッチコピーと、演芸場を彷彿とさせるカラフルなデザインが目を惹きます。


ピアノの醍醐味は、弾いて楽しむこと。そして聴いてもらって、楽しんでもらうことではないかと思います。

誰もが知るテレビや映画などのテーマソングをピアノで弾くというのは、弾いていて面白いですし、聴いている人も知っている曲ですから反応も良いことが多いです。


秀逸なのは選曲と編曲。こうした曲集は、曲目によって路線や構成が決まりますし、どういう曲がユーザーに受け入れられるのか、という点は未知数な部分が多いでしょう。


この曲集では、あえてクラシックや演歌、ポップスやCMソングを同じ土俵に乗せることで、音楽の「垣根」を無くし、誰もが楽しめる一冊に仕上げているところが素晴らしいですね。


またこうした誰もが知る曲を、初心者でも楽しめるようにピアノアレンジする作業は、決して簡単なことではありません。

この曲集では、曲のエッセンスを見事に抽出して、曲の持つ良さを引き出すアレンジになっています。


表紙のデザインやタイトルなど、路線は「面白さ」を狙った感じがありますが、こうした曲集という「ひとつの作品」作りへのこだわりが感じられる一冊です。



子供から大人まで楽しめるので、子供なら学校のイベントや休み時間、大人なら友人宅や、忘年会、結構式の余興などで弾いたらかなり受けるでしょうね(笑)


かなり面白い曲集ですので、ぜひ一度楽器店等でご覧になってみてください。楽譜を眺めるだけでも、結構おもしろいです。





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読譜力をつける「わかーるワーク」 [ピアノ教本]

人は「書く」ことで記憶を強化し、知識を固めます。

今私たちが普通に漢字を書けるのも、小さい頃に、たくさん書いて、反復練習をしたからですよね。


音楽においても、書くという作業は、とても大切な勉強のひとつです。そこで、音楽の知識を深め、ピアノレッスンを効果的にする教材が「ワークブック」ですね。


私の生徒さんも使っているワークブックの一つに、田村智子先生と、岩瀬洋子先生による「わかーるワーク」があります。



この曲集の大きな特徴は「ピアノのレッスンに直結したワークブック」と言う点にあると思います。


「はじめに」にもあるように、このワークブックの目的は、「読譜力をつけるため」のもの。この教材では、その理念を全体を通して具現化している点、また目標達成のために、様々な工夫が凝らしてあります。


各巻の巻末には、分かりやすい解答(問題の縮小版とその答え)が付されていて、答え合わせがしやすく、しかも理解を深めます。


また「この本の使い方」にもあるように、各巻の最初には、前巻で学んだことが「復習」として取り入れられています。これは、学習の「強化」を目的としたものですね。


巻頭には、おおよその「対象年齢」が分かりやすい表になっており、生徒に与えるときの指標とすることができます。


このワークブックは全9冊のシリーズとなっているため、生徒の進度や年齢層に応じて、柔軟に選び、使い分けることができます。


つまり、幅広い生徒層に対応できるような工夫がここには為されているわけですね。



多くの子供たちは「なぞる」のが好きなもの。このワークブックでは「なぞる」という勉強を多く採用して、学習を楽しく、しかも確実に定着させる工夫がなされています。


その辺りに、子供たちの興味を引くための配慮や工夫を感じますね。



なかなか生徒に合うワークブックがない、とお困りの先生は、ぜひ一度ご覧になってみてください。



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