ますこしょうこ先生の「生徒がやめない!ピアノ教室」 [書評]
出版されてから4か月、いまだに売れ続けている書籍、「生徒がやめない!ピアノ教室(ヤマハミュージックメディア)」。
85名の生徒さんを一人で教える、ますこしょうこ先生が、ご自身の経験や実績を一冊にまとめた本です。
【第1章】入門から10年の歩み
【第2章】魅力ある教室であり続けるために
【第3章】コンサートについて
【終章】これからのピアノ教室
といった章立てで構成されており、巻末には「ふろく」として、
・体験レッスンメニュー例
・ますこぴあの教室アンケート~生徒たちの声~
・ますこぴあの教室 年間指導計画表
・レッスンノート例
が実例とともに掲載されています。
本書のテーマは、「いかに生徒に長くピアノを続けてもらうか」。個人的にポイントだと思った点は、
・初日(体験レッスン)で最大限に惹き付ける
・子どもにも保護者にも未来を見せてあげる
・最初の3か月でこちらのペースに持っていく
・進歩を実感させる工夫をする
・コミュニケーションを密にする
・楽しいイベントで所属感を味わせる
・適切な目標を常に持たせる
こうした部分ではないかと思います。
挙げてみると、当たり前のように感じますが、実践となると簡単ではないのは、教室運営者ならばご理解いただけるでしょう。
特にイベントの開催には、時間や労力、金銭的なもの……。多くのものを投資する必要があります。
こうした点を乗り越え、レッスンからイベントまで、多彩に実践できるのは、やはり著者であるますこ先生の「生徒への愛情」でしょう。
「遠い親戚より、近くのピアノ教師」
確かに親以外で、ピアノの先生ほど長きにわたって一緒にいる「大人」は多くありません。
子どもたちにとって、身近な存在であること、
一緒に将来を考えていける存在であること。
こうした点に、ピアノ指導だけにとどまらない、指導者に与えられた「役割」を感じます。
ピアノ教室運営者であれば、一読の価値がある一冊です。
★今日の一冊
「生徒がやめない!ピアノ教室(ヤマハミュージックメディア)」
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