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ひとつの区切りにあらためてピアノレッスンを考える [ピアノレッスン]





人は職場で成長する、と言います。


ピアノの先生の場合、外部講師として務めていた現場で学ぶことは少なくありません。


これは私自身、心から感じています。


先日、9年間お世話になった教室を退職いたしました。

ドイツ留学を終え、まったく仕事がない状況で途方に暮れていた頃、採用が決まった時は感謝の気持ちしかありませんでした。



はじめての生徒さんは、3歳の女の子。

小さい子と向き合うこと自体、初めての経験。戸惑うことも少なくありませんでした。


自分の音楽を追い求めて、作曲家の思想、世界観、精神性に一歩でも近づこうともがいていた留学時代。

そこにある孤独な世界と打って変わって、小さい子どもたちと向き合う世界。


そのギャップも新鮮でした。



9年も教えていると、生徒さんとの思い出もたくさんありますが、それ以上に、彼ら彼女たちから学ばせていただいたことは数限りなくあります。


「教えることは、教わること」

まさにその通りだと思います。



「伝わらないのは、伝え方が悪いから」

「こっちを向かないのは、そこに足りない何かがあるから」

「夢を語らないのは、引き出し方がよくないから」


多くの場面に遭遇しながら、「ならばどうする?」と考え続けたことは、意味のある時間だったと振り返ります。



受付の方も素敵な方ばかりで、たくさん助けてくださいました。

特に、教室にいた2年前の震災の日には、本当にお世話をいただきました。



私が幸運だったのは、どの生徒さんもいい子で、どの保護者の方も素敵な方ばかりだったこと。


最後のレッスンの日に、どの保護者の方も、「残念です」とおっしゃってくださったことが、救いでした。




初めてきた3歳の女の子も、中学1年生。

別れのときの握手。9年前の初めてのレッスンで握った、小さい手を、思い出しました。



こちらの教室でのレッスンは、ひとつの区切りとなりましたが、レッスンはこれからも続きます。


感謝の気持ちを抱きながら、今いる生徒さん、そして未来の生徒さんと、真摯に向き合っていくだけです。









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成田祐可

コメント
by 成田祐可 (2013-06-13 12:52) 

成田祐可

私も卒業した学校の付属の教室で、5年間働きました。始めは何も分からず、本当に苦しみました。2年頑張ろう・・そう言い聞かせて働きました。でも生徒に助けられ、父兄に励まされ、しだいに楽しくなった頃、新しい自分を見つけるために教室を辞めました。最後のレッスンは泣かない!って決めてたのに、教室を辞めた生徒までが来てくれて、本当に幸せだったと生徒達と泣きました。あれから10年。今でもあの時の生徒達とは1年に1回、飲み会をしてます。大切な思い出は、大切な音楽仲間を作ってくれました。
by 成田祐可 (2013-06-13 13:03) 

lila

成田先生、コメントありがとうございます。
お世話になった教室には、感謝の気持ちしかありませんよね。
今でも生徒さんとのお付き合いがあるのは、素敵なことですね。
ありがとうございました。
by lila (2013-10-22 15:01) 

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