「われら!ピアノ・ルーキーズ・バンド」春畑セロリ・作曲 [書評]
ピアノ教育業界でも人気で、このブログでもたびたびご紹介している、春畑セロリ先生が、新刊を出されました。
「きまぐれれんだん」シリーズの4冊目となる曲集、「われら!ピアノ・ルーキーズ・バンド(音楽之友社)」です。
タイトルに、「ルーキーズ」とあるように、ピアノ1台で初心者でも取り組めて、しかもみんなで楽しめる、合奏アレンジになっています。
1人1パートなので、それぞれ片手で(がんばれば1本指で)弾くことができます。イメージとしては、アカペラで歌うボーカルグループ、といった感じでしょうか。
3人から5人(アレンジで多いのは4人)がピアノ1台で、みんなが知っている曲を合奏できます。
この曲集には、童謡やクラシック、ポップス、カンツォーネなど様々なジャンルの曲が取り上げられています。
「もりのくまサンバ」や「もりのくまシャンソン」「スワニー・ボサ」など様々なスタイルのアレンジ。また、「チャレンジショパン!」では「英雄ポロネーズ」や、「遺作のノクターン」さらに「バラード1番」なども。
「パフ」では、二人水入らずの演奏に、別の二人が途中で「乱入」する場面もあるなど、面白い仕掛けもありますね。
ゆったりとした曲では、オシャレで大人っぽいアレンジ、リズミカルな曲では心躍るようなアレンジ。どれも楽しめる作品ばかりが収められています。
合奏などで、お互いの音をよく聴き合うことは、ピアノや音楽の勉強に欠かせません。けれども、ピアノ教育の現場では、子どもたちが「アンサンブル」を楽しむ機会はあまりありません。
誰もがそうだと思いますが、音楽の楽しさを実感できるのは、みんなで一つの音楽を創りあげたときです。
小さい子たちがわいわい楽しみながら「合わせる喜び」を知る。
この曲集のような1人1パートという編成であれば、それも可能になりますね。
発表会やちょっとしたイベント、子どもたちが集まるグループレッスンなど、ピアノ教室でも使える一冊。
春畑セロリ先生の、楽しい世界やサウンドに触れてみてはいかがでしょうか。
★今日の一冊
「われら!ピアノ・ルーキーズ・バンド 春畑セロリ・著」(音楽之友社)
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